こりゃてーへんだ

内閣府行政刷新会議が行った「事業仕分け」で、漢方薬の保険適用が廃止されることになってしまいました。

【日本東洋医学会など4団体】漢方製剤の「保険外し」反対で署名活動(from薬事日報ウェブサイト

◆つい今しがたこれを知ってびっくりしました。風邪を引いたときや軽い花粉症のとき、それに、ベンゾジアゼピン系の薬をやめたときの離脱症状がきつかったときに、漢方薬には随分お世話になったものです。保険適用外になったら私だけでなく、多くの人が困ることになるでしょうね。


◆そもそも事業仕分けにかけられる予算というのはすべての国の事業という訳ではなくて、ごく一部、それもすべて財務省がリストアップたものです。政府与党が検討した結果ではありません。 財務省がうまいこと減らしたいと思っている(財務官僚はこういう時、効率化の鬼*1になるんでしょうね)予算だけが槍玉に挙げられた格好なんです。 民主党なんかが言う国民のためとかなんとかってのはうそでしょう。


◆とはいえ、事業仕分け自体に法的な強制力がないのもまた事実。廃止と言われた事業でも各省庁が予算として計上することはできるし、国会でそれが承認されれば通ります。事業仕分け自体が一番の税金の無駄遣いなんじゃないかと思ったりもします。

漢方薬だけでなく、色々なことがマスコミに報道されないままに、厳しい方向にシフトしてゆくのかもしれません。 それでも、オーウェルの『1984年』みたいな世界にだけはなってほしくない。そのためにはどうすればいいんでしょうか……




11月29日追記

◆どうやら、漢方薬の保険適用除外は立ち消えになるかもしれないようですね。


長妻厚労相が事業仕分けに異議 ――msn産経ニュース――

長妻昭厚生労働相は29日、(中略)漢方薬の保険適用外に反対する姿勢を示した。

(中略)

漢方薬については「市販のものを買って保険から外しなさいという指摘もあるが、かなり問題がある」と、事業仕分けで保険外化を求められた湿布やうがい薬などとは別扱いとする考えを示した。

 湿布やうがい薬についてはこちら
【社保審医療保険部会】診療報酬改定方針を大筋で合意‐OTC類似薬の保険外しには批判相次ぐ ――薬事日報――

OTC類似薬の保険給付からの除外は、財務省が「湿布薬・うがい薬・漢方薬などは医師が処方する必要性が乏しい」「高齢者の半分近くがのみ残しており、無駄に公的支出が行われている」ことを理由に主張してきた。

これに対し医療保険部会の委員からは、「患者負担の増大につながるため反対」(岩月進日本薬剤師会常務理事)、「副作用の面からも問題がある」(藤原淳日本医師会常任理事)、「かぜや腹痛は、ドラッグストアーに行って治せと言わんばかりの感じだ。納得できない」(見坊和雄全国老人クラブ連合会相談役)など、不満が噴出した。

漢方薬だけではなくてOTC医薬品も保険適用外になるってことか。OTCというとガスター10あたりしか思いつきませんが、他にも色々あるんだろうなあ。


んで、最初の産経のニュースに戻ると、

 事業仕分けでは、財務省の論点ペーパーに沿った形で、薬局で市販されている薬(市販類似薬)は「保険外」とする判定が出た。

◆さりげなーく書いてあるけれども、事業仕分け民主党がやっているんじゃなくて、あくまでも財務省が仕切って決めている、という点が大事なんです。財務省の省益にならない予算だけが削減されていくということ。民主党なんて飾りです。国民にはそれが分からんのですよ。

*1:効率化といえば、事業仕分けの仕分け人にモルガン・スタンレー証券のフェルドマンさんが入ってましたね。外資ですよ、外資。日本に永住するわけでもないひとに国の予算を云々させて大丈夫なんでしょうか。ああ、そういえば民主党は在日外国人の地方参政権を認める方向だったっけ。日本国憲法15条を改正しないと無理なのになあ。判例も変えないといけないし。できるのかなあ。