百でなければゼロですか

◆いやあ、気が付くと自分がわりとのっぴきならない状況におりまして。今回はそんなことを書き連ねようと思います。つとめて明るい文体で書きたいと思いますが、内容の暗さと苦しさは拭えません。ですので、あまり読まれないほうが得策かも。

◆今回の内容はお薬。処方薬の中の「ワイパックス」というお薬(「ベンゾジアゼピン系」と呼ばれるもののひとつ)のおはなしです。

◆先に結論だけ書いておきますと、諸説あるけれど私は断薬したい。薬物に依存しないでクリーンに生きていきたい。だから一寸づつでも減らしていきます。





◆私とワイパックッスの付き合いは長いです。最初にかかった精神科医が亡くなってしまい、新たに通い始めた医院ではじめて処方されて以来3年半は飲みつづけています。最初は不安発作時の頓服として出して欲しいと懇願し、服用してとても良く(うまく、望んだとおりに)作用したので、そのうち毎日常用するようになりました。

◆そこからさらにアルコール専門医に転院し、またそこでも半年ほどで医師が亡くなってしまい(私はまるで死神ですね)、現在のかかりつけ医に転院し今日に至るまで、最大で0.5mg錠を1日に三回プラス不安時の頓服としてもう一錠という飲み方をしていました。一般的には決して多すぎる処方ではありませんでしたし、だからこそ医師も処方してくれたのだと思います。当時の私は生きてゆくためにそれだけ飲まなければ不安だったし、必要だったのも事実です。そしてここ半年ほどは0.5mg錠を一日2回で充分に安定していました。

◆転機は、相方(彼女)の現在の主治医と出会ったときに訪れました。彼はベンゾジアゼピン系の薬物(以下、BZPと略記)の持つ耐性・依存形成作用をひどく憂慮していました。私の知る限りではBZPの依存形成をここまで問題視する医師はいませんでしたし、おそらく医者の世界でも突出した考えの持ち主なのでしょう。ともあれ、彼が言うにはBZPはアルコールと同様の作用を引き起こし、交差依存も起こす、と。つまり、僕(アルコール依存症)の場合は、アルコールだけ断ってもBZPを断たないと不安定なままであったり、そちらに依存してしまって結局何も変わらない、場合によってはもっとひどいことになるという。

◆ウソかホントか断って実験してみよう(人体実験!)と思い立ち、まずは1日2錠を1錠に減らしてみました。結果、何の問題も変化も見られませんでした。ので、私の主治医と相談して、1日1錠に処方を変えてもらいました。

◆そして、1日1錠を実験的にカットしてみると、イヤ、つらい。咽喉の奥に何かがつかえた感じはするし、胃の具合も悪くなる。そして、慌ててワイパックスを飲むと、30分もしないうちに(ワイパックスは効きが早いのです)ピタリと治まるのです。明らかに原因はBZP。私の場合は、相方の主治医の意見が正解だったようです。

◆これまで3度、断薬を試みてきました。1度目は上記のように慌てて投薬再開。2度目はまる二日飲まずにいられました。そして3度目は昨晩。いやあ、ひどい目に遭いました。

◆昨日はレポートやらなんやらで4時間ほどしか眠っていなかったにもかかわらず、夜、まったく寝付けないのです。ようやく眠気がやって来て、意識を手放して眠りに移行しようとしたら、途端にうまく呼吸が出来なくなって(呼吸のサイクルがおかしくなったり、とまったりする)、慌てて跳ね起きてしまう。そんなことの繰り返し。眠たいのに眠れない。起きたくても眠くて起きられない。苦しいです。あきらめて、相方に0.5mg錠をさらに半分に割ってもらい(何て手先が器用なんだ)、それを舌下投与。20分もしないうちにウソのように気分が落ち着いてくる。そしてすんなりと眠ってしまった。完全に薬物依存。わー。

◆相方の主治医いわく
・「BZPの抗不安作用は、とどのつまり、脳を酔っ払わせて(麻痺させて)不安も何も感じないようにさせるものなんですよ。アルコールと一緒なんです」
・「アメリカのAAに来るアルコール依存症の人の半分以上がセルシンを中心としたBZPとの交差依存なんです」
・「薬を断った時にうまく眠れないのは、脳がちゃんとした眠り方を忘れているからなんですよ。BZPやフェノバルビタールなんかで眠ったつもりになっていても、あれは気絶と一緒で眠りの質はメチャクチャ悪いんです。お酒で泥酔して気絶するのといっしょなんです。」
とのこと。

◆まだいきなりは断てなくても、今日から0.5mgをさらに半分にして、完全に断ちますよ。

◆あと、不眠や不安でベンゾジアゼピン系の薬を使おうと考えている方がいれば、場合によっては上記の私のような苦しみを味わうかもしれないので、良く考えて、慎重に吟味してください。私の苦しみをムダにしたくない。