れでーふぁーすと

◆女性と歩く際は、男が車道側を歩くのが当然、そんなふうに考えていた時期が俺にもありました

◆僕が相方と出会った頃も当然のようにそうしていたんですが、ある日相方は、「車道側を歩きたい」と言ったんですよね。


◆道路は、車道のど真ん中を頂点として、歩道側に向かって緩く傾斜を描いて作られています。

図1

図1、一般的な道路の模式図


・これは車道に水がたまって車がスリップしないように、歩道側に水を排水するために意図的にそう設計されているわけです。この傾斜が、車道上がほぼ平面で、歩道上でいきなり急角度になるという道路がここいらには結構ありまして。

・ヒールの高い靴など履いていると、この傾いた道路を歩くというのが結構難しいらしいのです。 それで、傾斜の急な歩道の端ではなく、ほぼ平らな車道側を歩きたい、相方の主張はこういうものでした。

・もとより相方は、どんくさい僕よりも数段高い注意力を持っているので、車道側を歩かせてもそれほど危険はないのです。

・爾来、僕は相方と歩くときに歩道側か車道側かということをたいして気にすることもなくなりました。隅っこの好きな僕は歩道の端を。相方は堂々と車道側を。そうやって互いに歩きやすいところを自然と選んで歩く、そんな力の抜けた関係になりました。もう3年以上前の話です。

・「男は/女は、〜するのが当然」といった誰が決めたかも分からない*1思い込みに縛られて生きるのは不自由です。 大事なのは自分たちにとって、何が良い/善いことなのかを一緒に考えることじゃないでしょうか。 思考停止をして決まり事を受け入れるのはときに楽ですが、それが余計な軋轢やしんどさを生むこともあるのですから。

*1:ラカンなら『大文字の他者』とでも言うでしょうか