ハードボイルド休み

■みぞれが降りしきる。暗く、寒い。外は血に飢えたケダモノの巣だ。(日本語訳:天候不順により学校は休みます。)

■昨日までの時点で、修士論文は(文字数において)完成度10%ほどです。今日で20%に到達すると予想しています。内容的な完成度はもはや問うべくもなく。

以下、ブツブツ言いますが気にしないでください。


■というか、勉強とまで言わなくても、文献を読んだり、場合によってはネットサーフィンなどしているだけでも、自分の持っている情報は日々アップデートされて行くわけで。科学哲学の用語で言えばパラダイムシフトにあたると言って良いような(注、やや大げさ)考え方の転換が起こることだって時にはあるわけで。

■いざ文字に起こそう、論文を書こう、そう思った翌日にはまた新しい情報が入ったりして、考えが揺らいだり、書き足すことが増えたり、真だと思っていたことが偽であると発覚したり・・・・・・

■ある時点で情報のアップデートを取りやめる、もう書き出したからと目をつぶる、そういったある種の諦念が非常に重要だなあ、と感じずにはおられません。(だからこそ、作家の先生がホテルに「カンヅメ」になって書いたりするのは非常に有効な手段だと思ったりもします。)

■つまるところ、「ここからは書くことに集中する」という(離陸決定速度*1のような)時点までに、どれだけ多くの情報をストックできたのか、が論文の出来のひとつの分かれ目になるんじゃあないか、そんな気がします。

■もちろん、何に着目するか、集めた情報をどう解釈/処理して、どのように言語で表記するかが決定的に重要なわけですが、そこら辺はもう才能の領域なので、致し方ないのです。私にはただ、「頑張ってこれだけの資料に当たりましたよ〜、努力だけは認めてちょ。」と言い訳するしかないのですよ。あと、ケチをつけられないように作法(引用、文献の表記法、「てにをは」等)だけはきっちり守らないと。

*1:航空機が離陸する際に、何らかのトラブルが発生しても、離陸を中止できなくなる速度。ここまできたら何があっても、かえって飛んじゃった方が安全かも、という速度。もちろん機種ごとに違う。
参考:Wikipedia:離陸決心速度
JAL航空実用辞典:離陸決定速度