狼たちの午後


◆地元保健所の酒害相談会に出席したあと、外に出てみると地元市公民館の前で吹奏楽の演奏をやっておりました。なんでも「めいわく(違法)駐車追放キャンペーン」なる警察の催しらしく、来賓席には市長をはじめ地元警察副署長などが隣席。

◆見える範囲で周りの警官はほとんどが拳銃を携行しておらず、中には丸腰の婦警も。居並ぶ警官たちは皆、私の全身武装に全く気づくことなく、しかも観客は来賓席の真後ろまで詰め寄っている状態。

「今ならやれる」そう確信した私は頭の中でシミュレーションを描きました。

◆まず市長の隣の副署長の首か肩の動脈を一突きする。あたりに飛び散る血しぶき。驚く群集、飛び交う怒号と悲鳴。そして腰のグロックぬいてつきつけ、市長を人質に取り、公民館に立てこもる。

◆その公民館は中高と部活で何度も利用し、中の構造を全て把握しているので立てこもるにはもってこいの場所だ。

◆流血騒ぎになれば当然マスコミがかけつける。そこで私は要求するのだ。映画『狼たちの午後』のアル・パチーノのように。マスコミに大々的に訴えるのです。酒害について。

「煙草には『健康を害する』といった旨の注意書きが書かれているのに、ニコチンより依存度の高いアルコールに全く注意書きがないのはおかしい。せめてイッキ飲みによる急性アルコール中毒死の危険性や、日本人の約半数が分解酵素を持っていないので、飲んだときに体調を崩す怖れがある旨を記すべきだ。これらの事が放置されているのは、全て酒造メーカーとマスコミの結託による陰謀だ!」

◆この主張を全国ネットで流さない限り、市長の安全は確保出来ない、そう要求するのです。

◆でもこんな事をしてもなんの意味もないどころか、まったくの逆効果にしかならないんですよね。マスコミは、「アル中が暴れてる。酒の飲み方もコントロール出来ないような駄目人間が何を馬鹿げた事を」と一蹴する事でしょう。そして世間に対してアルコール依存症に対する偏見を植え付け、アル中はさらに肩身の狭い思いをし、そしてアル中はさらに増産されてゆく。

◆大手マスコミの、ニュース番組のほとんどに酒造メーカーがスポンサー契約をしている中で、酒の害を訴える事は困難を極める。いや、むしろその意味でマスコミは共犯だ。土日になれば昼間から酒のCMがなんの規制も遠慮もなく垂れ流される。


◆そんな事を悶々と考えた結果、今日ははじめて、梅田の方で行われる35歳以下のアル中のみのAA「ヤングミーティング」に参加してみることにしました。上記のCDは時間潰しにタワレコで買ったものです。

◆私の中でオーマンディフィラデルフィア管弦楽団は「癒し系」のイメージがあったので、それがチャイコフスキーを演奏するというのがとても興味深くてつい購入。

◆マンフレッド自体は聴いた事がないので比較検討のしようがないのですが、何となく全体を通した音楽の流れに迷いのようなものを感じました。まあ、評論家の方々がどう表しているのかは存じませんが。でも演奏自体は素晴らしかったです。オーマンディの指揮では金管は大変だと聞きましたが、そんなしんどさは微塵も感じさせない演奏でした。