革とフェティシズム

・私は革靴が(見るのも、買うのも、履くのも、お手入れするのも)大好きなんですが、私が今まで行なってきたケアの方法に1点誤りがあることを知り、ショックを受けました。

・シュー・ツリーという、靴の中に入れて型崩れを防ぐ道具があるんです。服で言うところのハンガーのようなものなんです。私は今まで、それを靴箱の中で靴を保管するときのためのものだと思っていました。

・ところが、それは靴を履き終えたまさにその時に使うんだそうで。

・1日履いて靴についてしまったシワや反りを矯正して、元の状態に戻す。それが靴を長持ちさせる大事なポイントだったのです。

・私は今まで、履き終えたばかりの靴は、汗や湿気を吸っているので、そのままシューツリーを入れると革が伸びて形が崩れると思いこみ、乾燥剤を真っ先に投入し、翌朝シューツリーを入れるようにしてをりました。(ただし、雨の日はそれで正しかったんです。)

・さて表題。

・私はそもそもなめし革の匂いが大好きで、グローブや財布、ベルトや革底の靴など買った日には、暇さえあれば匂いを嗅いでしまいます。まさに革フェチ。フゥ〜。ただし、革のカバンは重たい上に手入れが大変過ぎるので敬遠しています。

・だから革製品で一番お金がかかるのが靴なので、まず自分にとって履き心地に文句の付け所がなく、しかもデザインが私好みのもので、それに履くべきTPOも考慮などして最良のものを、それこそ靴底をすり減らして探します。

・そこまでこだわったオタク的志向の靴なので、服、とりわけボトムスは靴に合わせて買います。「この靴に合うジーンズを買いに行こう」そんな意気込みで望むことすらあります。フェチ。どんなに格好良かったりお買い得だったりしても靴に合わなければダメ。裾丈の調節ももちろんその靴に合わせるために、試着室から出て靴をしっかり履いてから裾ツメしてもらいます。裾の仕上げはシングルかタタキのみ。ダブルなんて。私の価値観では、裾が靴より目立っては絶対にいけないのです。

・そして靴とほぼ同じ色と表面仕上げを持ったベルトもそろえます。できればカバンも揃えたい。(たとえば、布製バッグでも、取っ手やカドの部分に、アクセントとして使われている革の部分の色を揃えたりしたい。でもお財布という厳然たる現実が立ち塞がって退きません。)

・ここまでダラダラと私の嗜癖を書き連ねたところで、こんな文章を読んで一体どこの誰が喜ぶのかと問われれば、否としか言いようがないんですが、靴を磨いた時に手についた汚れは、洗剤でゴシゴシ洗う前に、ワセリンを塗って油汚れをワセリンに混ぜ込む様にしてから洗い落とすと、手荒れせずに綺麗に落ちますよ、と言うまめ知識を披露したかっただけなんです。