幼稚園では「もみじ組」でした

聞きたくなかった


 昨日うちの相方の通院に付き添っていったときの話。

 待合室で順番を待っていると、どっしりした体型のスーツのオッサンと、ジャージ着用のにーちゃんとオッサンが現れました。スーツのオッサンは、それほど鋭い目つきをしてはいないものの、醸し出す雰囲気がどうみてもその筋の人でした。若いジャージの方がその弟分といった感じで、ジャージのオッサンが患者なご様子。私と相方から幾分はなれた席に座って暫くすると、こんな会話が聞こえてきました。






 スーツ:「○○がなあ、カタギになりたい言い出しよってなあ」

 若ジャージ:「○○のやつ、オンナできたらしいッスよ」

(中略)

 スーツ:「今はアレやけどなあ、ムショに行ってた間は▲▲はキッチリやめとったで!






・・・・・・これ以上そんな話をここでしないでください(泣)

 その後も何だか怪しげな、処方薬でない方のクスリのお話などをされて、空気の悪いことこの上なし。そんなことはつゆ知らず、相方は隣で爆睡中。


 その後ジャージのオッサンが病室に呼ばれ、しばらくするとまたスーツの兄貴のところに戻ってきて、「1週間くらい鍵のかかった部屋に入れられるらしくてイヤだ。入院したくない」等とごねだした。ジャージのオッサンはその筋の人という感じはせず、むしろそのぼんやりとしたうつろな感じが末期のアル中といった感じ。

 スーツが医師や看護師に、「鍵だけでも何とかなりまへんか」などと交渉するも「規則だから」とあしらわれる。こういった場面でキレたり暴れたりしないところが却って本物っぽい。お金にならない恫喝はしないが吉、といった感じ。

 その後オッサンジャージにいろいろ噛んで含めるように話したあと、スーツはオッサンジャージに



 スーツ:「1週間くらい、腹くくって入ってこい!



 と言い放ち、オッサンジャージもあきらめて入院の手続きをとりに病院の奥へ去って行きました。「腹を括る」なんて、知っていてもなかなか一般人の口からは出てきませんよねえ。型にハマりすぎでおかしくて仕様がない。こんなイベントを寝過ごすなんて、うちの相方もツイていないなあ。

 それにしてもなんだったんでしょうか。アル中のツカイッパか何かが粗相をしでかして、本来ならケジメをつけさせられる所をなんとか逃れるために入院の運びとなり、付き添いというかケツ持ちで一緒に病院にやってきたといったところでしょうかねえ。何とも想像がつかん。


 あと、そうしたやり取りの最中に、警官に挟まれて手錠(ワッパ)をかけられた患者(?)が護送車両で運ばれてきて、病院の奥地に吸い込まれていくのも見ました。うちの相方の担当医がその方の簡易鑑定か何かの担当に当たったらしく、その担当医の診察が1時間半あまりストップ。なんという強制イベント。

 まあそのおかげで前日寝不足だった相方は少しHPを回復できたようですが。私はもう、待合室の状況が状況だけに寝るどころか全身ををアンテナのようにしながら、待合室のTVに映るラグビーの試合を、ただ視線を送るだけの目で見て過ごすしかありませんでした。合掌。