過去は忘れさせて呉れない

・メンクラの発売日だったのに買いに行くのを忘れました。

・とか言ってオシャレぶってみるのもそろそろ苦しくなってきました。もう限界みてぇだ。少しは私にセンスを下さい。


・すっかり半袖の季節になりましたね。せみも盛大に合唱を始めました。

・そして私の左腕にはいまだに傷跡が消えずに残っています。明るい日中ではまだ目立ってしまう。

・最後に切ったのは去年の暮れ。今年になってから、とりわけAAに少しずつ馴染んでゆくにつれ、腕や手首を切る以外に自己の内面に折れ込んでくる暗い情動を吐き出すすべを少しずつではあるにせよ学んでゆき、もう自傷することもなくなりました。

・それでも私の左腕は、まだあのひとり断酒の頃の生きづらさを、自らの腕を傷つけることで死への願望を紛らわしていた頃のことを忘れさせてはくれない。

・ふと左腕を見て、その傷跡に、腕をつたう静脈血の生ぬるい感触を思い出す。そんな感傷を苦しい顔で見ない振りをして、私は生きる。