すべての斗う人たちへ

・次から次へと襲ってくる自己憐憫と自己嫌悪の感情。一つ乗り越えてもまた同じ石につまずくその繰り返し。死にたくもないけれど、生きてゆくのがつらい。

・いっそのこと家を出ていこうかと考えた。どこか誰も私を知らない街でひっそりと暮らしてゆく。けれど今の私は薬とかかりつけの医師から離れて暮らすことが出来ない。薬が切れては生きてゆけない。それはもはや呪縛といった感じで私に重くのしかかってくる。逃げる場所などない。

・大学院。今年度こそちゃんと出席して単位を修め、修士論文を完成させなくてはならない。だが今の私はもはや研究に対する熱意をすっかり失ってしまい、まるで朽木のようだ。

・たとえ単位を修め、どうにかして論文を完成させたとしても、私には生きるすべはもうない。博士課程に進学しようにも、今の私にはひとかけらの熱意も残っていないし、もはや両親に齧るスネもない。文系院卒、しかも院を1留した私を好き好んで雇おうとする者などないだろうし、たとえあったとしても、今の私のような精神状態では労働にも、職場の人間関係にも堪えられない。大卒扱いでは歳をとりすぎ、院卒は理屈っぽくて使えない。手に余るし扱いづらい。

・私のような半端者が生きてゆくには、バカになって徒手空拳でやっていくしかないのだが、それに堪え得る肉体も精神も持ち合わせてはいない。もとより私は競争社会での生存に適していたことなど一度もなかった。

・自分自身への不信感、諦め、絶望。そんなものを持ちつづけていれば、回転軸を失った独楽のように長く持ちはしない。けれどそれらの感情は、自分の生きてきた数々の経験に基づいて醸成されたものであり、それらを否定することは私のこれまで生きてきた人生そのものを否定するに等しい。

・「敵は我にあり」――。そうだ。誰を憎んでも仕方がない。戦うべきは私自身なのだ。

 けれど――どうやって戦えば良いのだろう。もういい加減疲れてしまった――。