エレーン

壁を打ち破る事が出来ない。巨大なスチームローラーの様に、抑圧が四方から押し寄せてきて、私は、追い詰められる。いまや家の外に出掛ける事が恐怖であり苦痛である。学校に顔を出す事が余りに辛くて、通学の電車やバスが余りに苦痛で、僕はどうする事も出来なくて。薬も段々効かなくなって来て、酒に浸っている所為で身も心もどんどん病んで行く。最早ごく親しい友人と会うことにすらある種の苦痛を伴うようになってしまった。
他人が怖くて。
部屋から出るのが怖くて。
そんな自分が、
無能で弱い自分が嫌いで。
生きている事を一時でも忘れたくて、眠りを欲して。
いっときも早く眠りに就きたくて私は酩酊を求め、毎晩酒に手を伸ばす。
こんな私など、早く死んで居なくなってしまえば楽なのに。