・ベランダに、蝉の屍骸が落ちていた。今年の夏も、もう終わる。・外では気の早い秋の虫たちが鳴き始めている。

・誰だってそうじゃないか。好きな人の重荷にはなりたくないって、そう思うのが普通じゃないか。だから苦しくてもおどけて見せたり、自分の受けた苦痛に対して、まるで他人事のような顔をして気丈に振舞って見せたり。本当はわかって欲しいくせに。それでも…